子供たちには、
多くの人の役にたつように、
社会で活躍してほしいと期待するのが
親心ですよね。
でも、わたしたちが子供の頃に、
「大志を抱け!」と聞いたとき、
「励まされる言葉だ!」と思いながら、
心のどこかで、
「でもどうやって?」
と感じたりはしなかったでしょうか?
多くの人の役に立ちたいという「大志」は
どのように育んだら良いのでしょうか?
前回までのトピック
これまで、
子供たちが、生きる意味を見出し、
高いモチベーションを持つようになる、
第一歩として、
わたしたちが「社会的存在」であることを
実感することが大切だという話をしました。
今回は、わたしたちの「社会的なつながり」が
「時間的にもつながっている」ことに
考えを広げてみたいと思います。
時間を超えたつながり
「わたしたちは時間を超えてつながっている」といったら、
ちょっとSF的、あるいはロマンチックに聞こえるでしょうか?
でも実際のところ、
わたしたちとゆかりのある人たちとの結びつきは、
「今」に限ったものではなく、
過去と未来に向かって広がっています。
一番身近なところでは、
わたしたちは、両親から産まれ、
両親はさらにそれぞれの両親から産まれてきました。
そしてわたしたちの子供もいずれ、家族を持つようになるでしょう。
わたしたちは、
おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんたち
との結びつきを通して、
彼らが考えてきたこと、行ってきたことの影響を
価値観、住んでいる場所、経済環境など多面的に受けています。
そして、わたしたちが思うこと、行うことが、
わたしたちの子供たちに影響を与えていきます。
街や国の歴史
わたしたちが今住んでいる街や国にも
これまでの歴史があり、
その結果として、今があります。
街の名所だったり、地名、坂や道の名前に
わたしたちは、その街の歴史を感じることができます。
そして、今の街の在り方が、
将来の街のあり方に影響していきます。
人類の歴史
こうした時間的なつながりは、
人類の歴史についても同じように見出すことができます。
わたしたちが、今、自由にモノゴトを考え、生活できるのは、
これまでの社会の発展に多くの人が尽力してきた結果です。
自由や平和、より良い生活を求める想いが、
脈々と受け継がれてきた結果として、
わたしたちの現在の暮らしがあるのです。
そして、わたしたちの今の社会づくりが、
次の世代の社会のあり方に影響を与えていきます。
文脈が目的を生み出す
このように、わたしたちの社会的なつながりは、
今現在に限ったものではなく、過去、未来へと広がりを持っています。
わたしたちは、
今現在の社会とのつながりの中で存在しているだけでなく、
過去、未来の社会ともつながっているのだ、と考えると、
わたしたちが、「つながりの中で存在している」
ということを、さらに実感できるのはないでしょうか。
このことを意識することで、
わたしたちは、過去の経緯により向き合い、
「現在地」についての理解を深めることができます。
そして、「現在地」がわかるからこそ、
また、それが未来につながっていると思うからこそ、
今後、「何を変えていくべきか」や「何を目指すべきか」
という大きな目的意識、つまり「大志」が生まれやすくなります。
|つまり、モノゴトの文脈を知ることで目的が見出しやすくなるのです。
子供たちの大志を育むには
子供たちの「大志」を育むには、
子供たちが、
わたしたちの社会の時間的なつながりを知り、
過去、現在、未来の文脈を掴むことが大切です。
だから、子供たちには早いうちから、
家族、街、国、人類の歩みなどの、
過去、現在、未来のつながりについて、
実感が持てるようにしてあげたいところです。
家族の歴史を振り返る、
街や国の歴史に触れる、
過去の偉人の悩みや情熱に共感する、
といったことを働きかけていきたいですね。
特に、書物や映像を通して、
過去の偉人の悩みや情熱に共感することで、
インスピレーションを得ることは、
より大きな志を持つことにつながっていきます。
「社会的なつながり」について
今回、わたしたちの「社会的なつながり」が
時間的にも広がっているという話をしました。
「時間」とくれば「空間」です。
次回は、もう一歩、「空間」という側面から、
「わたしたちと社会のつながり」についてさらに考えてみたいと思います。
あなたは、「場所を超えて」社会的なつながりを感じることはありますか?
次回までに少し考えてみてくださいね。
それではまた、お会いしましょう。
Ciao!