整理された言葉の世界が、賢さの秘訣

子どもたちは、言葉を学ぶきに、
言葉を覚えるだけでなく、
自分の中に、世界を写しとった、
「世界のモデル」を作っています。

この世界のモデルは、
まわりの人から、言葉を教わりながら作るため、
「みんなの世界」とも呼べるものです。

この「みんなの世界」のモデルは、
人と話す時の前提だったり、
なにかを考えるための材料だったりします。
ですから、子どもたちが持つモデルが
広く、深く、整理されているほど、
役立つ情報を、すばやく引き出すことができます。

それゆえに、
この世界モデルを作る時に、大事なことは、
言葉を整理しながら、行うことです。

例えば、レゴブロックで街を作ることを想像してみてください。
道路、住宅、公共施設など、
区画を分けて作った「整理された街」は、
どこに何があるのか一目瞭然です。

あるいは、出かけるときに、洋服を選ぶことを想像してみてください。
洋服ダンスの服が、きれいに分類されていれば、
出かけるときに、コーディネーションを考えるのがラクになります。

整理された世界モデルを作るには

整理しながら、世界モデルを作ることについて、
より具体的に、3つの視点から考えることができます。

まず第1に、モノゴトを分類して、仕分ける、
という「カテゴリー」意識して、言葉を学ぶことです。
例えば、食べ物というカテゴリーには、
穀物、フルーツ、野菜、肉と魚、乳製品、
といったものが含まれていると網羅的に捉えます。

このとき、カテゴリーの階層関係を意識することも大切です。
食べ物という大きなカテゴリーの中に、
フルーツというカテゴリーがあって、
さらに、その中にりんごというカテゴリーがある、
というような感じです。

このように、カテゴリーを意識して言葉を整理していると、
おながかが空いて、
みずみずしくて甘くて食べごたえのあるものが欲しいときには、
りんごがいい、
というように、目的に応じて何が必要かを
判断することが容易になります。

第2の視点は、モノゴトは、
色やサイズ、形など、さまざまな「属性」の掛け合わせで
なりたっていると捉えて、
それぞれの属性を概念として、沢山蓄積して、活用することです。
例えば、色、サイズ、形、という属性の概念をよく知っていれば、
ある1つのりんごについて、
赤い、大きな、丸い、りんごと表現することができます。
また、こうした概念は、さまざまなモノゴトに共通しているので、
あるクルマをみて、緑色の、小さな、四角いクルマ、
と表現することもできます。

ここで、大切なことは、例えば、赤という個別の色ではなく
「色」という上位概念で捉えることです。
そうすることで、赤いりんごがいいのか、
緑色のりんごがいいのかと、
異なるモノを比較して、
判断することが容易になります。

第3の視点は、モノゴトの「構造」を
パターンとして認識することです。

私たちは、例えば、料理をする時に、
人参の皮をむいたり、傷んだ部分を切り取ったりと、
モノを作ったりするときに、
そのモノがどのような部分に分けられるのかを考えます。

空間を上下左右に分けたり、
モノを部品に分解したりと、
モノゴトの構造について、
さまざまなパターンを認識できるようになると、
問題がどこにあるのかや、
モノをどのように変化させればよいのかが
素早くわかるため、
モノゴトへの対応力が高まります。

子育てのポイント

賢さの基には、整理された頭があり、
それは、整理された言葉の世界を持っている、
ということです。
賢い子どもに育ってほしい、と願うのであれば、
子どもたちが言葉を吸収するときに、
「カテゴリー」、「属性」、「構造」という3つの視点から、
言葉を整理しながら、世界の理解を深めてもらうことが大切です。

そのためには、
子ども向けの辞典や図鑑が役に立ちます。
ぜひ、意識していただきたいことは、
図鑑で、動物の名前などの「知識」を得ることよりも、
どのように、モノゴトが分類、整理されているのかという「知恵」に、
意識が向くように働きかけてください。

また、図鑑を選ぶときには、
わかりやすく、構造的に整理されているかを確認してください。
まずは、小学館の、
「タッチペンで音が聞ける!はじめてずかん1000」
などから試していくのが良いのではと思います。

そして、
「カテゴリー」、「属性」、「構造」という3つの視点から、
男の子がりんごを食べるストーリーを描いた、
toyboxの絵本「おおきな、りんご!」
ぜひAmazonにて手に取っていただけたらと思います。

今回の説明にもちいたリンゴの例は、
すべて、この絵本のストーリーのものです。
2歳前後から楽しめる、さりげない、ストーリーの中に、
人の認知力の深さに触れられる工夫が込められています。

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